「海外在住」の相続人調査の進め方について
1 はじめに


『相続手続き』の進め方については記事を分けてご紹介をさせていただいております。
● 相続手続きの進め方③(未登記不動産、農地などの相続手続き)
グローバル化が進み、日本での相続手続きをする際に、海外在住の方へ連絡を取ることも増えてきました。
その際、海外在住者の方について連絡先がわかっていれば手続きも進めやすいのですが、「そもそも相続人が誰かもわからない」、「その相続人が海外に住居を移しているが詳細な住所は分からない」ということもあります。
相続人が海外在住の場合でも、相続人の地位は失われません。法定相続分も変わりません。
そこで、今回は「海外在住の相続人の調査をどのように進めるべきか」についてご紹介させていただきます。
2 日本国内での調査
まず、亡くなった方を中心に戸籍収集を行います。
その過程で、該当となる相続人(相続に至る故人)の調査の際、「戸籍の附票」に記載の海外転出先(国名、場合により市)までを把握することになります(なお、海外でご結婚をされ、当該海外法で届け出がなされている場合、戸籍にも海外国、場合により市の記載があります。)。【転出国の把握】
3 海外での調査(生存が見込まれている日本国籍者)
<当該、相続人らと個別に連絡が取れない場合>
⑴ 【外務省の所在調査制度】を利用します。
所在調査制度の利用により、外務省が対象となる相続人の調査をしてくれるのですが、その調査対象とできるのは「生存が見込まれる日本国籍者」に限られます。
外務省の調査の結果、調査対象者の住所が分かった場合、当該対象者(相続人)が了承をすれば住所が開示されます。
⑵ 当該対象者(相続人)と連絡をとり、
●「在留証明」を取得してもらいます。
※(住民票の替わり)
●「署名証明(サイン証明)」も取得してもらいます。
※ 本人の署名が本人であることを在外公館が証明。(印鑑証明書の替わり)
4 該当の相続人らが外国籍の場合
● まず、「外務省の所在調査制度」が利用できません。
この場合、対象となる外国籍の相続人の国に、日本のような戸籍制度があれば、戸籍証明書等を取得します。
戸籍制度がなければ、これに代わる証明書を取得します。
● 【日本に居住している外国人の場合】:日本にある当該外国の大使館で、被相続人と相続の関係にあることを陳述した書面に、当該外国の証明書(認証文)を付けてもらい、その外国文書を日本文に翻訳したものを用意します。
● 【海外に居住する外国人の場合】:当該外国の公証人(NOTARY)の面前で相続人であることを陳述した書面に、公証人の認証文を付けてもらい、その外国文書を日本文に翻訳したものを用意します。
5 さいごに
相続は何らかの形で誰しもに発生します。
事務手続きが面倒な戸籍の収集「相続人の調査」、相続財産の調査についても弁護士業務として行ないます。
今回ご紹介させていただいた海外在住の相続人の方などの調査もひじょうに煩雑です。
そうした相続人の調査に加え、預貯金や有価証券などの名義変更、解約手続き、不動産の登記変更手続きも弁護士など専門職に任せる方も増えてきました。
「相続手続き」につきましても、相続案件に慣れた弁護士にご相談をされることをオススメいたします。
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