遺言の有効性(遺言能力について①)

文責:弁護士 岡﨑伸哉

作成日:2023年12月28日

1 はじめに

 現在、公正証書遺言は年間約10万件作成されています。

 また、「日本財団の調査によると、60歳~79歳で遺言書をすでに作成している人は3.4%(自筆証書遺言が2.1%、公正証書遺言が1.3%)、近いうちに作成するつもりがある人は13.9%」とのことです(引用元「公益社団法人生命保険文化センターHP」)。

 

 相続に関わる仕事をしていますと、様々な内容の「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」を目にします。

 そうした遺言の中には、相続人の方の関与が疑われるものもあり、その他の相続人の方にとっては不満を感じる方も多く、紛争となりやすい傾向があります。

 そこで、作成された「遺言」が有効か無効かについて、その考え方をご紹介したいと思います。

2 「遺言」の有効性:遺言を作成する判断能力とは?

 まず、「遺言を作成するには、遺言事項(遺言の内容)を具体的に決定し、その法律効果を弁識するのに必要な判断能力(意思能力)があればよく、民法は、その基準を満15歳(民法961条」としています(『第4版 家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務』488頁)。

 

 また、未成年、法定後見(制限行為能力)に関する規定は、遺言には適用されません(民法962条)。

 ただし、「成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時において遺言をするには、医師2人以上の立会いがなければならない。」(民法973条)と規定されています。

3 「遺言」の有効性:遺言能力の判定基準

 遺言能力の判定基準については、個別具体的に判断をすることになります。

 

 東京地方裁判所平成16年7月7日判決においても、「遺言には、遺言者が遺言事項(遺言の内容)を具体的に決定し、その法律効果を弁識するのに必要な判断能力(意思能力)すなわち遺言能力が必要である。遺言能力の有無は、遺言の内容、遺言者の年齢、病状を含む心身の状況及び健康状態とその推移、発病時と遺言時との時間的関係、遺言時と死亡時との時間的間隔、遺言時とその前後の言動及び精神状態、日頃の遺言についての意向、遺言者と受遺者との関係、前の遺言の有無、前の遺言を変更する動機・事情の有無等遺言者の状況を総合的に見て、遺言の時点で遺言事項(遺言の内容)を判断する能力があったか否かによって判定すべきである。」と述べられています。

4 さいごに

 遺言を作成していないことで遺産分割は問題となりやすいです。

 

 ただし、「自筆証書遺言」が作成されていても「遺言が無効ではないか。」「遺言の様式が守られていないのではないか。」ということで問題が発生することもあります。

 

 公証人が作成し、2人の証人が立ち会う「公正証書遺言」があれば、有効性を覆すことは難しくはなります。ただし、公正証書遺言であっても必ず有効となるわけではありません。

 

 こうした案件でお困りであれば、相続案件にも慣れた弁護士にご相談をされることをオススメいたします。

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